2007年11月28日

My Sister's Wedding

しばらくご無沙汰しておりました。イギリスに来週行くつもりであれこれ準備していたのですが行けなくなったので、残念に思い、いま家でケーキを食べているところです。唐突になんですが、私には兄弟姉妹がおり、その中の妹が先週結婚するということで、会場のある大分は別府に行きました。ジャンボジェット機の乗客の数まではいかないけれどたくさん人が来て、中には私の昔の知り合いも多く来ていました。

今/昔。うまく言えないのですが、自分の中で記憶が明らかに断絶している時代があって、しかも昔の方の記憶は抜け落ちている部分が多い。平たく言えば人生に転機があったということなのだろうけど、第二次世界大戦後に天皇制から民主主義に一夜にして変わったときと同じくらいの断絶がある(たぶん)。その断絶はいったい何だったのか自分でもうまくまだわからないのだけど、強烈な印象としてあるのは、下関の教会のアメリカ人宣教師に招かれて黒人霊歌を独唱した後、夜に高熱が出てぶっ倒れた事。意識は朦朧とするのだけど、これまでの自分が終わったのだなあということだけはすごくよくわかった。んで、自分でも止めようがなく、涙が出たんだった。あれはいったい何だったのだろう?その1年4ヶ月後に、曲を自分で作れるようになった。たぶん、その前後が私の人生における最初の(もしかしたら一度きりの)断絶なのだろう。

しかし、そのような断絶の感覚は自分の内部での話なので、昔の知り合いにとっての私は連続している。したがって、会わなかった時間は一週間くらいというノリでみんな話しかけてくる。んで、私もお調子もんだから、前日からシャンペン飲んできゃーきゃー言って騒いじゃったり。着物着るから小道具をそろえたり、純白のイタリアの高級下着を上から下まで新調したり(バカ。なぜお前が買う必要があるんだ)。そんな中で、うっかり忘れていたのだけど、自分の妹の結婚式だったのだ。当日になった。

妹は、子どもの頃太っていて(今は痩せた)色白で目が細かったので「小野小町」と私がからかって呼んでいた(今は奇麗になった)。その妹は私に作文というのを書いてくれて、それをMCの人が披露宴の最中に読み上げ、その中を私が妹の手をひいてお色直しのため退場する、という一コマがあった。普通なら泣かせるような「今までありがとう」みたいな文面のはず。しかし。妹が書いた作文とは「真依子姉ちゃん。私はお姉ちゃんに、子どもの頃から散々からかわれてきました。だけど、もし他の子が私をからかったら、すぐにすっ飛んで行ってその子たちをやっつけてくれました。(自分が私をいじめておきながら)他の子が私をいじめることは絶対に許しませんでした。私をいじめた相手が年上だろうが、男の子だろうが、やっつけてくれました(こういう話が続く)」という文面で、私に対する感謝なのか、批判なのか微妙な文面だった。※おそらく会場のお客さんもどう反応していいか悩んだろう。

それで、最初の記憶の断絶の話に戻るが、私は年上や男の子をやっつけた覚えがないわけ。そしたら、似たような話が出てくるわ出てくるわ。私は、自分で自分のことを変わった人間だとか、イカレているとか、特別な人間だとか、そんな風に描写するのはちょっと恥ずかしいことだと思ったりするのだが、事実として、私は、相当におかしな女の子だったようだ。まず、初老の男性に声を掛けられた。「わしのことを覚えておるかい?」「へ?すみません、わかりません。」「真依ちゃん、あんた林間学校で暴力事件を起こしただろう、そのときの先生じゃよ」「ひょえ〜〜〜」思い出した。小学生の頃、別の小学校の男の子と殴り合い、というのをやったのだった。私は一人では負けるだろうから、ブッチャーというあだ名の女ともだちを引き連れて(コソクなわたくし)、男の子にけんかをふっかけたのだった。だが、相手は格闘技のお稽古に通っていたらしく(リサーチ不足だった!)顔が変わるくらいになぐられて、後に教育委員会で問題になったのであった。

兄弟姉妹曰く「真依子姉ちゃんは子供部屋の2段ベットの上に寝ていて、ふいに夜中にむくっと起きたかと思えば、もののけ姫のように下に飛び降りて、衣紋掛けの角っこで下に寝ていた自分をよくぶった(そして何事もなかったかのようにまた上にあがって寝た)。やめてー!真依子姉ちゃん、やめてー!という自分の悲鳴が深夜響いた」とか、「男性用のトイレで用を足す自分を、真依子姉ちゃんが背後からこっそり扉を開けて忍び寄り、自分の背中にケリを入れてげらげら笑いながらよく逃げて行った。それでおしっこが途中で止まってしまう。おかげで、トイレに行くのにいつも警戒せねばならず、おかげでいまだにトイレではつい気が張りつめる」とか。苦情は続く。そんなことしたっけ?したんだよな。これが。

その後もどんどん続く。「真依ちゃん、最後に会ったとき私に何て言ったか覚えてる?」「きれいさっぱり忘れました」「真依ちゃんが猛烈な勢いで走って私の後をおっかけてきて、横断歩道の向こうから大きい声で、『覚えていなさいよ。今度私達が会うのは、お互いの(どっちかの)葬式だからね!』と叫んだのよ。」「ぎょえ〜〜〜」そういえば、その人とけんか別れをしたときに、そんなことを通りで一人わめいていたような。「それが、もうおかしくておかしくて。絶対に忘れられないわ。」わー。これには赤面。というか、自分で自分の言動の数々が信じられなかった。まだまだ続く。ええーまだ続くんですかー?

「峯さん。」「びくっ」「おれのこと、覚えてる?」「んんん、はい(大嘘)」「あんた高校の頃、誰それと、誰それと(複数ですか?)つきあってただろ?その後、どうなった?」はい、お次。「峯さん。」「はい?」「あんた、高校の頃うた歌ってたよね。高校の文化祭で、全校生徒を体育館に集めて歌ってた(迷惑なやつ)、そのとき停電になっても(マイクなしで)歌いきったよね(ある意味ドラマチックだ)」「うん。」「まだ歌ってるの?」「うん。」はい、次。「おい。」「へ?」「あんたぶち切れて椅子を持ち上げて、5mくらい放り投げて、俺の足に当てただろ?」「知らないわ。私じゃないわ」

もう、疲れたからここらでやめるけど、私という人間は、最悪だね。ほんと。こんなに迷惑な人間だったことに、今日の今日まで気がづかなかったよ。もう巣に入って寝るよ(そんな気分)。今回、他人の記憶の中にある自分をつなげてみると、歌が好き。反抗的。このふたつは人生の最初からわかりやすいまでに私の中に続いているのだった。だからどうしたってこともないけど、おそらくそういうお星様のもとに生まれたのだろうという、あきらめの境地に至る。それは幸福でもなく不幸でもない。それを普通の状態として当たり前のように生きてきたのだ。だから、これ以外のやり方で生きる道はないのでないのでしょうか?つまり、体を張って生きるってことね。歌が好きで反抗的、これをこれから自分のキャッチフレーズにするのさ。
posted by minemai at 11:22| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
 すみません、PCの前で腹抱えて笑わせて頂きました(怒んないでね)。みねさんは子供の頃からみねさんだったんだなあと。最悪とは思いませんけど(むしろ最高)、例えば僕とみねさんが小学校のクラスメイトとかだったら俺すんごいいじめられてたかもなぁ(笑)。
Posted by 聡文三 at 2007年11月29日 00:35
んだ(笑)。
Posted by みね at 2007年11月29日 08:09
聡文三さま、そして、皆様

よかったー。腹抱えて笑ったのは私だけじゃなかったんですね。私の場合、会社だったので、笑うに笑えず、ますます怪しい人に見えたことだと思われます。

私、みねまいの「断絶」の前と後ろを知ってます。

…と言っても、断絶の前の高校生の頃のみねまい、そして、ここ数年、歌手として活躍中のみねまい。みねまいとの関係の「断絶」はその間10年近くになるんですよね。つまり、10年というブランクがありゃ、そりゃ、人間、変わるわな…というわけで、そのある日襲ってきた「断絶」には気がついてないというわけ。

で、高校時代のみねまいに幸い私はイジめられることも、椅子を投げつけられることもありませんでした(ああ、神様ありがとう)。ただやはり、「断絶」の前だったにも拘らず、すでに他の生徒とは違うミョーなオーラを放っていたことは間違いのない事実です。「断絶」のあとにミョーな女子生徒がすごい女性になったことなんですかね。

さてここで問題なのは、この「断絶」は一生に一度のことなのか、それとも再び起こりうることなのか。みねまいがふたたび「断絶」を経て、さらにすごい人になることがあるのか、あればあったで楽しみだし、でもそれはそれで怖い気もします。次に「断絶」があっても、トイレで後ろから突然蹴ったりしないでね(懇願)。
Posted by Snigel at 2007年11月29日 21:13
Snigelの入っているトイレのドアを開ける勇気はちょっとないけど(いろんな意味で。私ら大人になったし。なんのこっちゃ。)閉じ込めたりとかは、あるかもしれない(笑)。

Posted by みね at 2007年12月03日 14:25
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