2010年03月10日

パッショネート

今日は、ひとつ仕事を終えてわんわんわんという気持ちで、外へでた(猫がすきだけども)。さて、雪だった。丸い形がひとつひとつ、仲良く手をつなぐようにして、横にふき流れていった。

久しぶりに映画を観た。いや、先週も映画を観てたっけ。映画の無料招待券が、毎月たくさん届くとうれしいのに。

さて、今日観た映画は13年かけて、愛する映画を完成させた男の話だった。最後のせりふはこうだ。「公開することよりも、完成させることが映画には大事なんだ。」

ふと、パッショネート。という言葉が浮かんだ。何が一番好きかっていうと、愛でも平和でも希望でもなくって、パッションってのが私はいい。

情熱を失ったら、私はただの泥人形だ。

『日本橋』っていう日本映画があったって。1930年代のフィルムで、もう紛失したんだって。それを淀川氏が観たことがあるって。淀川氏、「パッショネートな女が」って言ってた。

パッショネートな女がいて、彼女に財産もぜんぶ身ぐるみはがされた男が、熊の毛皮を着てるんだって。もうそれしか着るものがなくなったって。夜中女を殺そうとやってくるんだって。パッショネートな女は「ぎゃ」と言うんだけど、しまいに女が気迫で勝っちゃって、「やい、金太郎だい。やれすすめ!」と言って、女は着物の前ははだけて素っ裸。熊の毛皮のおとこの背中に乗っかって、男はやっぱり言いなり。背中に乗られてうなだれてるんだって。

すごい映画があったもんだ。1930年代の日本人って、いったい何を考えてたんだ。『ホテルニューハンプシャー』にも、熊の着ぐるみを着た女がでてたけど、そんなの目じゃない、あんなのジェリービーンズだ、ガキだ、ガキ(そういえば、ジェリービーンズは私は好きだった、ごめんなさい、ジェリービーンズ)。しかし『日本橋』ときたら1930年代の映画だものね。男が熊で、女が金太郎だよ。ちょっと違うよ。

パッショーネート。

知人が(金髪の美女)、彼氏と(私の友人のラテン系。ラテン系とガテン系はどうして言葉がにているの)別れて、友人は落ち込み、ぐずぐずしたメールが来る。

どしたの。金髪の美女はチョウチョなんだよ。飛んでいったのだから、あなたもどこか遠くに行ってしまいなさい。なんて、これを聞いてもどこの誰もまるで慰められないような励ましの言葉を私はかける。

またラテン友人から連絡がきて、金髪の美女は、新しい国で新しい男とあっというまに(1ヶ月未満ね)らぶらぶなんだって。自分のブログに、新しい彼との蜜月の写真を大公開。「落ち込むこともあるけれど、日溜まりはいつも自分の心の中にあるものよ」と、世界に向かって数カ国語で教訓も書いてあった。魔女の宅急便のコピーかと思ったよ。

文化人類学者に問いたい。研究対象は、飲料水を気にしなければならないフィールドにいかずとも、こんな身近なところにあるんだって。過去の男との写真を公開し、今の男との写真を公開し、「がんばらなくっちゃ。日溜まりは...」と言っているの、そのテンションこそが、研究しつくされなければなんないの。

私は、その女をあまりパッショネートな女だとは思わないけども、はあ(ただ、なんとなくためいき)。

映画の帰り、上記のようなことを考えながら外食をしていたら、スーツケースをがたがたいわせた男が店にはいってきて、客は私ひとりだったけども、目の前でコリアンエアのタグ付きのスーツケースを開けて、衣類がいっぱい。そこからレントゲン写真みたいなものを取り出した。この店で個展をするみたい。

私の勘違い。レントゲン写真じゃなかった。ふつうの写真。「これ、あげます」と言って、自分の写真集をくれた。商売もんをもらっちゃあ、と思ったけど、受け取った。

そのカメラマンは日本語がおぼつかなかったので、ああ、じゃあ英語でと私が気をきかせたら、カメラマン「英語はわからない、やめて!カタカナでしゃべって!」と言った。それは哲学的難問だ。

つつがなく、日付は更新された。
posted by minemai at 22:23| Comment(0) | 日記
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